周防大島町地産地消推進基本プラン

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1 策定の目的
 周防大島町においては、地元でとれたものを地元で消費する「地産地消」を推進し、農林水産業の振興を中心に、交流や文化の創造及び健康的な生活の実現、さらには循環型社会の形成を目指したエネルギーや環境面での効果などを創出する施策展開により、地域活性化を図る必要がある。
 この地産地消を推進するためには、町及び関係機関・団体を始めとして、生産者及び事業者並びに町民が、地産地消に関する共通認識を持つことが重要であるため、官民が協働して地産地消をコンセプトとしたまちづくりに取り組むための指針として、本町において取り組む地産地消の特徴、目標、課題及び推進策などを明示した「周防大島町地産地消推進プラン」(以下「推進プラン」という)を策定する。


2 地産地消に取り組む理由
 食に対する「安心・安全」への意識が高まる中、地産地消は生産者と消費者を結びつける役割を担い、生産者にとっては流通の拡大による経済効果が生まれ、消費者にとっては新鮮でおいしく安心して食べられる地域の食材が入手できるという利点がある。さらに、景観や食文化の保全、食生活の改善を通じた健康づくりが図られるものであると共に、豊かな自然環境と食をテーマにした都市との交流による魅力ある地域づくりにもつながるものである。

3 周防大島町地産地消推進プランの特徴(テーマ)
 安心・健康を実感!長寿の周防大島地産地消推進プラン

4 推進体制
 周防大島町において地産地消を進めるためには、官民協働の推進体制が不可欠であるため、まず庁内の推進組織として地産地消推進部門(以下「推進部門」という。)を設置するものとし、民間の推進組織としては、生産者を始めとした地産地消関係組織等で構成する周防大島町地産地消推進ネットワーク会議(以下「ネットワーク会議」という。)を設置し、推進部門とネットワーク会議が連携・協働し、地産地消の推進に対する提言や推進プランの実践体制の確立を図るものとする。  
 さらに、推進プランの実施にあたっては、NPO法人等を中心とする民間組織(以下「実践組織」という。)を設置するものとし、町並びに推進部門及びネットワーク会議でサポートしながら、民間ベースでの自立した運営形態とすることを目指すものとする。

5 実践期間
 平成18年度から平成22年度までを推進プランの実践期間とし、平成19年度において民間ベースでの運営に着手することを目標とする。

6 進捗管理
 町、推進部門、ネットワーク会議及び実践組織の代表者等による地産地消推進プロジェクト会議により進捗状況を把握し、必要に応じて推進プランを調整すると共に、進捗状況を定期的に情報公開していくものとする。

7 目標
 豊かな自然環境と多様な食により、健康的で心豊かな生活が実現できる、思いやりと活力のある地産地消のまちづくり

8 重点取組
 地産地消を推進し、地域活性化の効果を発現させるためには、既存の取り組みを生かしながら、「点」の取り組みを「面」の取り組みに発展させることが必要であると共に、過疎・高齢化が著しい中で、早期に効果を上げて加速的な展開を目指すためには、課題を絞り込んだ効率的かつ効果的な取り組みが必要であるため、以下の3つを柱とした取り組みを進めるものとする。

 (1) 食に関する安心・安全の仕組みづくり
 (2) 食や地域を大切にする心の育成
 (3) 地域における食文化の伝承と創造 

9 現状と課題
 本町における地産地消の取り組みに関する現状と今後の課題を整理すると次のようにまとめることができる。

(1) 直売所(朝市、インショップ)
 本町内においては民間グループによる朝市やAコープ店舗内での直売所(インショップ)などの取り組みが活発に行われており、普及啓発の促進により直売所の取り組み及び利用は拡大の傾向にあると言える。
 現在のところ、いずれの施設も小規模なものであり、商品の偏り、採算性、安定供給、規格外品の扱い、包装の問題及び加工食品への取り組みなどが課題となっている。さらに、朝市においては運営スタッフの高齢化が顕著であり、継続・発展的な取り組みのためには、後継人材の育成と経営力の向上が不可欠である。

(2) 飲食店等
 飲食店における地産地消の取り組みとしては、本町観光協会が主宰する「地魚の店」指定制度がある。本制度はスタートしたばかりであるが、本町の優れた地域資源の1つである水産物での地産地消の取り組みは、これからの水産物消費の新たな一形態をなすものであり、今後、多様な取り組みに発展していくものと期待される。
 現在、町内で18の店舗が地魚の店に登録され、旬の魚を使った料理により好評を得ているが、農産物も含めて「地産地消」をより多くの人に関心を持ってもらえるメニューの開発等が課題となっている。

(3) 医療・福祉・教育施設等
 町内の学校や病院給食への地元産品導入については、現在までも部分的な取り組みが行われてきており、特に学校給食については、野菜・柑橘類を中心に導入が図られており、さらには児童・生徒への地元産品の理解を深めるための食育にも取り組んでいる。病院給食についても地元産食材の導入に取り組んでいるが、積極的な地産地消への取り組みには至っていないのが現状である。
 今後、学校や病院等の給食において地元産の食材導入を促進するためには、食材規格・品質の安定化、安定供給の対策、さらには地産地消への理解促進などが必要であると共に、現在の納入業者との調整なども必要となってくる。   

(4) 観光施設
 町が経営する市民農園や民間の観光農園などの観光施設を有すると共に、山口県グリーン・ツーリズム推進モデル地域の指定を受けて、本町全体でのグリーン・ツーリズムへの民間ベースでの積極的な取り組みも始まっている。さらにはブルー・ツーリズムへの取り組みも検討されており、都市部の人を対象とした農山漁村における観光・交流基盤の一体的な整備が図られようとしている。
 多様な資源が存在する本町の特徴を生かし、単独の取り組みからネットワーク化への転換を図り、グリーン・ツーリズムやブルー・ツーリズムを一体的に展開できるような、民間主導の仕組みづくりが重要な課題である。

(5) 食農教育・食育
 現在、学校給食などにおいては、児童・生徒への地元食材の紹介が行われていると共に、生産者との交流・体験活動などに取り組んでいる学校もある。
 今後は、各学校で個別に行われている取り組みを連携させると共に、食に関する教育体系、地産地消の理解促進、家庭での食育及び食生活改善などの取り組みを共通のプログラムとし、町全体での食農教育・食育への取り組みに発展させることが必要である。

(6) 食文化
 周防大島には健康長寿が証明する豊かな食環境があると共に、多様で魅力的な郷土料理があるが、生活スタイルの変化に伴い昔からの食文化は失われつつある。
 本町の豊かな自然環境と共に、優れた食文化を伝承し、健康的な生活が実現できる地域であることを確立するためには、郷土料理伝承の推進、新たな食文化の創造及び伝統品種・加工食品の伝承などが課題となってくる。
   
(7) 情報発信・意識啓発
 本町は多様で優れた地域資源を有する地域であるにもかかわらず、積極的かつ効果的な情報発信が行われていないため、その魅力を十分にPRできていないと考えられる。
 今後は、地産地消の浸透及び生産者と消費者の情報共有を図るための、一体的かつ強力な情報発信が必要であると共に、多様な情報を一元的にコーディネートする組織の設置が必要と考えられる。


10 推進策
 各課題に対する具体的な取り組み方針としては次のとおりとする。
 なお、直売所(施設整備及び運営支援)、医療・福祉・教育施設等(地域食材情報提供システム)及び食農教育・食育(体験学習)の3つについては重点推進策として、モデル事業での実施を含めた早期での実践を目指すものとする。

(1) 直売所
 [1] 施設整備及び運営支援   
 ○ 施設整備
 空いた公共施設を利用するなど効率性に配慮し、集客効果の高い集合型の直売所を設置することにより、多様な生産物を一体的に販売することができると共に、販売に要する負担の軽減により、より多くの生産者が参加することが可能となる。

 ・ 設置主体:町
 ・ 運営主体:実践組織(民間)
 ・ 運営イメージ

 ○ 運営支援
 個別に運営している朝市等について、広報や情報提供等の事務的サポートを行うことで、朝市の運営効率化が可能となると共に、ネットワーク化による相乗効果により、朝市等の運営拡大が図られる。

 ・ 制度設置:町
 ・ 支援主体:実践組織
 ・ 運営イメージ

 [2] 直売所マップ・カレンダーの作成
 [3] 街並み景観を生かした朝市街道の整備
 [4] 地域食材活用調査
 [5] 加工品への取り組みの推進

(2) 飲食店等
 [1] 生産者との交流
 [2] メニュー開発

(3) 医療・福祉・教育施設等
 [1] 地域食材情報提供システム
 食材のばらつきを調整して安定した供給体制を整備し、学校や病院等の給食
への地元生産品の導入システムを構築することで、需要拡大を図ると共に生産者の育成にもつながる。

 ・ 制度設置:町
 ・ 支援主体:実践組織
 ・ 運営イメージ

 [2] 地域食材活用調査

(4) 観光施設
 [1] 地元食コンテスト
 [2] 定番メニュー化
 [3] 地域食材サービス
 [4] グリーン&ブルーツーリズム推進

(5) 食農教育・食育
 [1] 給食イメージ改善
 [2] 児童・生徒向け広報
 [3] 地域食材活用調査
 [4] 体験学習
 町内外の幼児・児童・生徒や保護者、教育関係者と生産者による田畑での体験学習や自然とのふれあいの中で、食べ物が生産され流通していく過程を理解することで、生産の苦労や喜びを学び、地域食材を見つめ直す。

 ・ 制度設置:町
 ・ 支援主体:実践組織
 ・ 運営イメージ


(6) 食文化
 [1] 地元食の達人
 [2] 地元食レシピ
 [3] 食の体験
 [4] 味巡りツアー

(7) 情報発信・意識啓発
 [1] サポーター 
 [2] 広報紙・情報誌・ホームページ  
 [3] 意識調査  
 [4] 地産地消関係補助金
 [5] 地産地消のまち宣言
 [6]地産地消の日制定
 [7]オーナー制度
 [8]啓発イベント
 [9]農産物認証制度
 [10]地域通貨